サンルーム後付けの基礎知識と費用相場を徹底解説

サンルーム後付けを検討している方にとって、設置方法や費用、注意点などは非常に気になるポイントです。

サンルームは、洗濯物を干すスペースや家族の団らん場所として、またはガーデニングを楽しむための快適空間として活用できる多機能な設備です。

しかし、後付け設置には建築確認申請や固定資産税への影響、設置場所の選定など、多くの要素を考慮する必要があります。

本記事では、サンルーム後付けのメリット・デメリットや費用相場、設置前の重要チェックポイントについて詳しく解説します。これからサンルームを取り入れたい方は、ぜひ最後までお読みください。

この記事のポイント
  • サンルーム後付けの設置方法や費用相場について理解できる
  • サンルーム後付け時の注意点や確認すべきポイントを把握できる
  • サンルームのメリット・デメリットや多目的な活用方法が分かる
  • 固定資産税や法的手続きなど設置に関わる影響を理解できる
目次

サンルーム後付けの基礎知識

サンルームとテラス囲いの違い

よく似た外観のサンルームとテラス囲いですが、実は使い勝手や性能に大きな違いがあるんです。

サンルームは本格的な増築に近い建物で、しっかりとした基礎工事から始めます。窓や屋根にはガラスを使用し、気密性も高いため、まるで家の中のような快適な空間になります。

冷暖房効果も期待でき、四季を通じて快適に過ごせるのが特徴です。

一方、テラス囲いは既存のテラスを活用した簡易的な構造です。屋根は主にポリカーボネートという軽い樹脂材を使用します。サンルームほどの気密性はありませんが、その分工事期間が短く、費用も抑えられます。

ちなみに固定資産税については、サンルームはもちろん、テラス囲いも対象となることが多いです。

今回の記事ではサンルームとテラス囲いは同じ意味として使用します。
あえて意味を分けたい時は都度説明をいれるようにします。

後付け可能な3つの設置方法

サンルームを後付けする方法は、大きく分けて3つあります。

まずは「床納まり」。これは1階の庭に設置するタイプで、リビングとほぼ同じ高さに作ることができます。段差がないので、お子さんやお年寄りも安心して使えるのがいいところです。

次に「土間納まり」。これは既存のタイルテラスやコンクリート部分を利用する方法です。リビングから一段下がった位置になりますが、その分、庭との一体感が生まれます。ガーデニングを楽しむ方にぴったりの設置方法といえます。

最後は「バルコニー納まり」。2階のベランダを活用するタイプです。洗濯物を干すスペースとして人気があり、雨の日でも安心して洗濯物が干せます。敷地に余裕がない場合でも、既存のスペースを有効活用できる賢い選択肢です。

設置前の重要チェックポイント

サンルームを後付けする前に、いくつか確認しておきたい大切なポイントがあります。

まず確認したいのが、日当たりと風通しです。周りの建物や大きな樹木の影響で、思っていた以上に日陰になってしまうことも。また、風通しが悪いと結露の原因になるので、窓の配置や換気扇の設置位置もしっかり考えましょう。

排水計画も見落としがちですが重要です。特に梅雨時期の大雨に備えて、雨どいの位置や排水の流れをチェック。既存の排水設備にも負担をかけないよう計画を立てる必要があります。

法的手続きと確認事項

サンルームの設置には、いくつかの法的な手続きが必要になることがあります。まず確認したいのが建築確認申請です。

サンルームの面積が10平方メートル以内なら申請不要な場合が多いですが、自治体によって基準が異なります。建ぺい率と容積率のチェックも忘れずに。

すでに上限ギリギリの場合、サンルームの設置ができない可能性もあるんです。特に都市部の住宅密集地では要注意です。

防火地域に指定されている場合は、使用する材料に制限があることも。一般的なアルミやガラスは問題ありませんが、屋根材や外壁材によっては使用できないものもあります。

また、マンションやアパートにお住まいの方は、管理組合の承認が必要になることがほとんど。見た目や構造的な制限がある場合も多いので、事前に管理規約をしっかり確認しておきましょう。

費用と工期を徹底解説

予算別の選択肢(40万円〜300万円)

サンルームの予算は、大きく3つの価格帯に分かれています。まず、40万円~80万円程度の予算なら、シンプルなテラス囲いタイプがおすすめです。屋根はポリカーボネート製で、壁面は一部だけガラスを使用するような基本的な仕様になります。洗濯物干し場として使うなら、この価格帯でも十分な機能を備えています。

中価格帯の80万円~150万円では、全面ガラス張りの本格的なサンルームが選べます。断熱性能も高く、寒冷地でも快適に使えます。屋根の形状も切妻やアール型など、好みのデザインが選べるようになります。収納スペースや網戸なども標準装備されているので、より快適な空間づくりが可能です。

150万円以上の高価格帯になると、オーダーメイドの設計や高級素材の使用が可能になります。二重ガラスや電動シャッター、床暖房などの快適装備も取り入れられます。また、大型のサンルームや変形地での設置にも対応できるので、こだわりの空間づくりができます。

工事にかかる期間と手順

サンルーム設置の工事期間は、規模や工法によって変わってきますが、標準的な流れをお伝えします。

簡易サンルームのテラス囲いで解説していきます。

工期はサイズやオプションにもよりますが、着工から完成まで2~3日が標準的です。

本格的なサンルームの場合は住宅のような基礎工事なども入りますので10日ほどはかかると思います。

本体の骨組みや屋根材を取り付けた最後に出入りできるユニットを入れて完成します。
小規模なものなら1日で完成することもあります。

固定資産税への影響

サンルームを後付けすると固定資産税が上がることは避けられません。一般的な2~3坪のサンルームを設置した場合、年間1万円から2万円ほど固定資産税が増えると考えておきましょう。月々に換算すると1,000円から2,000円程度の負担になりますね。

固定資産税の対象になるかどうかは、3つの条件で判断されます。まず天井があること、次に3方向以上が壁やガラスで囲まれていること、そして一番高い天井が1.5メートル以上あることです。一般的なサンルームはこれらの条件を全て満たすため、必然的に課税対象になってしまいます。

なお、固定資産税を申告しないでおこうと考える方もいるかもしれませんが、これはおすすめできません。自治体の定期調査で発覚した場合、過去に遡って支払いを求められる可能性があるからです。きちんと申告して、気持ちよく使える空間にしていきましょう。

追加オプションと費用相場

追加オプションと費用相場
ホワイト

サンルームを快適に使うためのオプション選びも重要です。最も人気が高いのは物干し竿用の金具で、2~3万円程度。雨の日でも洗濯物が干せる便利なアイテムです。

照明器具も必須アイテムの一つ。LED照明なら1~2万円程度で、夜間の使用時に重宝します。網戸も虫の侵入を防ぐために必要で、こちらは1枚あたり1~2万円ほど。

温度調整のための換気扇は3~5万円、夏場の暑さ対策になるロールスクリーンは1枚2~4万円といった具合です。プライバシー保護にもなるカーテンレールとカーテンのセットは5~8万円ほどで、見た目の印象も大きく変わります。

これらのオプションは、全て揃えると20~30万円ほどの追加費用になりますが、必要なものから順番に付け加えていくこともできます。自分の使い方に合わせて、優先順位を付けて選んでいくといいでしょう。

メリット・デメリットを詳しく解説

天候に左右されない洗濯スペース

サンルームがあれば、天気予報とにらめっこする必要はありません。梅雨時期や冬の寒い日でも、快適に洗濯物を干せる空間が手に入ります。特に赤ちゃんのいるご家庭では、清潔な洗濯物を干せる場所として重宝するはずです。

花粉の季節も安心です。窓を閉めれば外からの花粉を完全にシャットアウトできるので、アレルギーの方でも気兼ねなく洗濯物を干せます。また、突然の夕立にも慌てて取り込む必要がないので、外出時も安心です。

室内干しと違って、嫌な生乾き臭の心配もありません。換気扇やサーキュレーターを使えば、冬場でも効率よく乾燥できます。さらに、日光消毒効果も期待できるので、清潔な仕上がりになります。

住宅の断熱性と光熱費への影響

サンルームは、家全体の断熱性能を高める効果があります。特に冬場は、サンルームが家の周りに断熱層を作るような役割を果たします。日中は太陽熱を蓄え、その熱が室内に伝わることで暖房効率が上がります。

夏場も、サンルームが日差しを和らげる緩衝材になってくれます。直射日光が室内に入るのを防ぐので、エアコンの効きも良くなります。ただし、真夏日には室温が上がりやすいので、遮熱カーテンや換気扇の設置がおすすめです。

光熱費への影響は、使い方次第で大きく変わってきます。適切な換気と断熱対策ができていれば、年間で電気代を5~10%程度節約できる方も。特に寒冷地では、暖房費の削減効果が期待できます。ただし、夏場にサンルーム内で冷房を使用すると、逆に電気代が増えてしまう可能性もあるので注意が必要です。

多目的スペースとしての活用法

サンルームは洗濯物干し場以外にも、実はたくさんの使い方ができる便利なスペースなんです。まずおすすめなのが、観葉植物やガーデニングを楽しむ空間としての活用です。日光がたっぷり入るので植物の育成に最適で、雨や風から守られた環境で植物の世話ができます。

家族の団らんスペースとしても素敵です。ソファやテーブルを置けば、明るい日差しの中でお茶を楽しめるカフェのような空間に。休日の朝食や読書タイムを過ごすのにぴったりです。お子さまの遊び場としても活用できて、天気が悪い日でものびのびと遊ばせることができます。

在宅ワークのスペースとしても注目されています。自然光が入る明るい環境は、仕事の効率アップにつながります。また、ペットと暮らす方には、猫ちゃんの日向ぼっこスペースや小型犬のドッグランとしても重宝するはずです。

ただし商品によっては気密性がそこまで高くないこともあるので、台風などの大雨で雨水が侵入する可能性があることは認識しておきましょう。

保証や防水に関する注意点

サンルームの保証については、しっかり確認しておくべき重要なポイントがあります。一般的な保証期間は5年から10年ですが、部位によって保証期間が異なることがほとんど。特に防水性能の保証は要チェックです。

防水に関しては、屋根と壁の接合部分が特に注意が必要です。この部分からの水漏れが最も多いトラブルとなっています。また、サッシの立ち上がり部分も要注意。雨の吹き込みや結露による水滴が溜まりやすい場所なので、定期的な点検が欠かせません。

保証内容も細かく確認しましょう。施工不良による不具合なのか、経年劣化による故障なのかで、保証の適用が変わってきます。また、台風などの自然災害による破損は、火災保険でカバーできる場合もあるので、保険会社への確認もお忘れなく。

メンテナンス方法についても、施工業者からしっかり説明を受けておくことが大切です。日常的なお手入れの方法や、定期点検の頻度なども確認しておきましょう。適切なメンテナンスを行うことで、長く快適に使い続けることができます。

失敗しない業者選びのポイント

見積り比較のコツと相場観

見積りを比較する際は、単純な価格だけでなく、内容をしっかりチェックすることが大切です。まず基本工事の範囲を確認しましょう。基礎工事、本体工事、屋根工事など、どこまでが基本料金に含まれているのかを明確にしてもらいます。

安さだけで選ぶのは要注意です。極端に安い見積りは、実は基本工事の範囲が狭かったり、使用する部材の品質が低かったりすることも。最低でも3社以上から見積りを取り、中間的な価格帯の業者を選ぶのがおすすめです。

見積書には必ず内訳の明細を付けてもらいましょう。材料費、施工費、諸経費などが細かく記載されているか確認します。追加工事が必要になった場合の単価表もあらかじめもらっておくと安心です。

施工実績の見方

施工実績は、業者選びの重要なポイントです。単に「○○件の実績があります」という数字だけでなく、具体的な内容を確認しましょう。

まず、あなたの希望するタイプのサンルームの施工例がどれくらいあるかを聞いてみてください。例えば、2階バルコニーへの設置や、変形地での施工など、特殊な条件での実績があれば安心できます。

可能であれば、実際の施工例を見学させてもらうのがベストです。写真だけでなく、実物を見ることで品質や仕上がりを確認できます。また、施工後数年経過した物件を見せてもらえれば、経年変化の様子も分かります。

顧客の声も大切な判断材料です。施工後の満足度や、使用感についての感想を聞けると参考になります。中には、実際に施主さんと話をする機会を設けてくれる業者もあります。そういった機会があれば、ぜひ活用してみてください。

保証内容のチェックポイント

保証内容は、細かく確認する必要があります。まず、保証期間をしっかり確認しましょう。一般的には5年から10年程度ですが、部位によって異なることがあります。例えば、骨組みは10年、ガラスは5年といった具合です。

次に、何が保証の対象になるのかを明確にしてもらいましょう。施工不良による不具合は当然ですが、経年劣化による故障がどこまでカバーされるのかも確認が必要です。特に、防水性能の保証は重要です。雨漏りは深刻な問題につながる可能性があるので、しっかりと保証されているか確認しましょう。

保証の適用条件にも注意が必要です。定期的なメンテナンスが条件になっていることがあります。その場合、メンテナンスの頻度や費用についても確認しておきましょう。また、自然災害による破損は通常の保証対象外になることが多いので、その際の対応についても聞いておくといいでしょう。

最後に、保証書の内容をしっかり読むことを忘れずに。小さな文字で書かれた除外事項などもありますので、分からない点があれば遠慮なく質問してください。保証内容をしっかり理解しておくことで、長期的な安心感が得られます。

メンテナンスと長期使用のコツ

定期点検の重要ポイント

サンルームを長く快適に使うためには、定期的な点検が欠かせません。特に注意が必要なのは、雨漏りのチェックです。屋根と壁の接合部分や窓枠の周りをていねいに確認しましょう。小さなひび割れや隙間も、放っておくと大きな問題につながる可能性があります。

サッシの動作確認も重要です。開閉がスムーズでない場合は、レールの汚れや部品の劣化が考えられます。レールの清掃や潤滑剤の塗布で改善することも多いので、定期的なメンテナンスを心がけましょう。

排水溝や雨どいの詰まりチェックも忘れずに。落ち葉やホコリが詰まると、雨水が正常に流れなくなり、水漏れの原因になります。特に春と秋は落ち葉が多くなるので、こまめな清掃が大切です。

結露対策と換気方法

結露は、サンルームでよく起こる悩みの一つです。特に冬場の朝は要注意。室内外の温度差が大きいときに発生しやすいので、効果的な対策が必要です。まず基本となるのが、こまめな換気です。朝一番に窓を開けて空気を入れ替えることで、結露の発生を抑えることができます。

換気扇やサーキュレーターの活用も効果的です。空気を循環させることで、結露の発生を防ぎやすくなります。特に洗濯物を干している時は、必ず換気扇を回しておきましょう。湿気がこもりやすい場所には、除湿剤を置くのもおすすめです。

夏場は逆に外気の湿気が室内に入ってきて結露が発生することも。この場合は、日中の暑い時間帯の換気は控えめにし、朝晩の涼しい時間帯に行うのがコツです。また、エアコンを使用する際は、設定温度を外気温との差が大きくなりすぎないように調整すると、結露の発生を抑えることができます。

清掃と日常のお手入れ

サンルームを美しく保つためには、日々のお手入れが大切です。まずは窓ガラスの清掃から。晴れた日に直射日光が当たる状態での清掃は避けましょう。水滴の乾きが早すぎて、拭き跡が残りやすくなってしまいます。曇りの日か朝夕の涼しい時間帯に、柔らかい布で丁寧に拭くのがコツです。

床掃除も忘れずに。特に雨の日は外からの泥や砂が持ち込まれやすいので、その日のうちに掃除機をかけることをおすすめします。サッシのレールは週に1回程度、掃除機の隙間ノズルで吸い取り、溜まった汚れは歯ブラシなどで掻き出すと良いでしょう。

壁面は月1回程度、柔らかい布で軽く拭く程度で十分です。強い洗剤は使わず、薄めた中性洗剤で優しく拭き取りましょう。雨どいの掃除は季節の変わり目に行うと、目詰まりを防げます。

経年劣化への対処法

サンルームも年数が経つと、様々な劣化が出てきます。早めの対処が長持ちのコツです。まず気をつけたいのが、シーリング材の劣化です。ひび割れや剥がれが見つかったら、すぐに補修が必要です。放置すると雨漏りの原因になってしまいます。

サッシの動きが悪くなってきたら、まずはレールの清掃から始めましょう。それでも改善しない場合は、戸車やロック部分の部品交換を検討します。これらの部品は消耗品なので、3~5年程度での交換を想定しておくと良いでしょう。

また、金属部分のサビも見逃せません。小さなサビを見つけたら、すぐにサビ止め剤を塗布します。サビが広がってしまった場合は、専門家に相談して補修や部品交換を検討しましょう。早めの対処で、修理費用を抑えることができます。

後付けのサンルーム総括

この記事のまとめです。

  • サンルームは後付けでも設置可能で主に3つの方法がある
  • 床納まりはリビングと同じ高さで段差がなく安全性が高い
  • 土間納まりは既存のテラスやコンクリート部分を活用できる
  • バルコニー納まりはベランダを利用し省スペースで設置できる
  • サンルーム設置前に日当たりや風通しを確認する必要がある
  • 排水計画を事前に考慮し大雨対策を徹底する必要がある
  • 建築確認申請が必要な場合があり自治体の基準を確認する必要がある
  • 防火地域では使用する材料に制限がある場合がある
  • 設置費用は40万円から300万円以上と予算に応じて選択肢が広がる
  • 簡易なものは数日で完成し本格的なサンルームは10日程度かかる
  • サンルーム設置後は固定資産税が上がる可能性がある
  • 夏場の暑さ対策として遮熱カーテンや換気扇が有効である
  • オプション機能として物干し金具や換気扇が人気である
  • 多目的スペースとして洗濯干しやガーデニングに利用可能である
  • メンテナンスや定期点検が長期的な使用において重要である
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この記事を書いた人

リクシルのエクステリア商品の専門家。
約20年、外構エクステリア業界に携わっています。
日本全国のお客様と60,000件以上関わらせてもらいました。
使い勝手が良く、コストを下げる提案が得意です。

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