戸建て住宅のバルコニーに屋根をつけたいと考えたことはありませんか?
「どんな種類の屋根があるの?」「費用はどれくらい?」「メリットは?」といった疑問をお持ちの方も多いでしょう。本記事ではバルコニーの屋根について、種類や選び方、設置するメリット、費用相場までを分かりやすく解説します。
さらに、国内大手メーカーであるLIXILのバルコニー屋根商品もご紹介します。バルコニー環境を快適にするヒントをぜひチェックしてください。
- バルコニーの屋根の種類と特徴
- バルコニーの屋根の選び方のポイント
- バルコニーの屋根を設置するメリット
- バルコニーの屋根の費用相場とLIXILのおすすめ商品
バルコニーの屋根の種類と選び方
バルコニーの屋根とは?

バルコニーの屋根とは、建物のバルコニー部分に後付けできる小さな屋根やひさしのことです。2階以上にあるオープンなバルコニー上部にアルミフレームと透明または半透明の板材などで覆いを作り、日差しや雨を遮る目的で設置されます。
戸建て住宅では、洗濯物を干すスペースとして使うベランダ・バルコニーに屋根が無いと、天気に左右されて不便ですよね。バルコニーの屋根を取り付ければ、急な雨でも洗濯物が濡れるのを防げたり、強い日差しを和らげて室内温度の上昇を抑えたりできます。
なお「ベランダ」と「バルコニー」は厳密には異なる言葉ですが、日常的には混同されることも多いです。
本記事では特に断らない限り、後付けできるバルコニー(ベランダ)屋根全般を指して解説します。つまり、新築時に一体化した大きな屋根ではなく、後から取り付け可能な小型のテラス屋根・ひさしのことです。素材や形状も様々なものがあり、ご自宅の条件や用途に合わせて選ぶことができます。
バルコニーの屋根の種類と特徴
バルコニーに取り付ける屋根には、材質や構造の違いによっていくつかの種類があります。それぞれ特徴が異なり、メリット・デメリットがあります。主な屋根の種類とその特徴は次の通りです。
屋根の種類 | 特徴(メリット・デメリット) |
---|---|
ポリカーボネート | 軽量で高い透明度を持つ板材です。採光性が良く、室内を明るく保ちながら有害な紫外線を大幅にカットします。衝撃に強く割れにくいのも利点です。比較的価格が手頃で多くの家庭で採用されています。一方、経年によって黄ばみ・劣化が生じることがあり、耐用年数は10~15年程度とされています。必要に応じてパネルの交換が必要になる点はデメリットです。 |
アルミ | 最新のテラスSCなどで採用されるアルミ屋根は、耐久性と遮熱性に優れ、軽量でありながら堅牢な構造を実現しています。シンプルでモダンなデザインが住宅の外観と調和しやすいのが魅力です。 光は一切通しませんので、設置環境によっては室内が暗く感じることもあります。 金額はポリカーボネートの2倍以上かかる場合がほとんどです。 |
オーニング(日よけ) | キャンバス地などの布製の可動式テントによる屋根代わりの日よけです。必要なときだけ布を伸ばしてバルコニー上部を覆うことができ、使わない時は収納しておけます。固定式の屋根に比べ採光性や開放感を調整しやすく、おしゃれなデザインや豊富なカラーを選べる点が魅力です。強い雨風には不向きで、防水性能は期待できません(小雨程度なら短時間しのげます)。耐久性も永続的な屋根材ほど高くないため、定期的なメンテナンスや張り替えが必要です。 |

これらが代表的な種類です。一般的な戸建てバルコニーの屋根リフォームでは、軽量で扱いやすく費用も抑えられるポリカーボネート屋根が主流です。
また、屋根の形状にもバリエーションがあります。
例えば、屋根がフラットな「F型」(フラット型)とアーチ状にカーブした「R型」(アール型)などです。R型のカーブ屋根はデザイン性が高いだけでなく、雨風を横から受け流しやすい利点もあります。ご自宅の外観やお好みに合わせて、屋根材と形状を組み合わせて選ぶと良いでしょう。
バルコニーの屋根の選び方

では、どのように自宅に最適なバルコニーの屋根を選べばよいのでしょうか?選び方のポイントをいくつか解説します。
- 耐久性・気候への対応: お住まいの地域の環境に合わせた耐久性が重要です。台風や強風が多い地域では耐風圧性能の高い丈夫なフレームや屋根材を選びましょう。
雪の多い地域なら耐積雪仕様の屋根(厚みのある強化パネルや強靭な支柱)がおすすめです。例えば、標準仕様では20cm程度の積雪荷重しか耐えられない屋根でも、雪国向け強化仕様なら50cm以上に耐える製品もあります。気候に適した頑丈さを持つ屋根を選ぶことで、長持ちさせ安心して使用できます。 - 採光と遮熱(屋根材の透光性): バルコニー屋根をつけることで日差しを遮りたい反面、暗くなるのは避けたいというジレンマがあります。
光をどの程度通すかは屋根材の種類や色で調整できます。室内を明るく保ちたいなら透明または半透明のポリカーボネートが適しています。一方、夏の強い日射をしっかり遮りたい場合は、熱線遮断機能付きのポリカーボネート(赤外線をカットする特殊コーティング板)や、不透明なパネル屋根を選ぶと良いでしょう。
近年はUVカット・熱線カット機能を備えた屋根材が各メーカーから出ており、採光と遮熱を両立できます。ご自宅の方角(日当たり)や用途に応じてベストな透光性を考えましょう。 - デザイン・美観: 屋根は建物の外観に影響しますので、デザインも無視できません。住宅の外壁やサッシの色に合わせてフレームのカラーを選べます。アルミフレームは一般的にシルバー系やブロンズ系、ブラック、ホワイトなどがありますが、メーカーによって木目調カラーなどバリエーションも豊富です。
屋根形状(フラットかアーチ型か)も家の雰囲気にマッチするものを選ぶと統一感が出ます。例えば、洋風の住宅には緩やかなカーブ屋根が優美に見えることがありますし、モダンな外観の家には直線的なフラット屋根がスタイリッシュでしょう。
また、オーニングの場合はファブリックの色柄で外観の印象を変えることもできます。デザイン性を重視するなら、後述のLIXILの木目調デザイン屋根なども検討してみてください。 - コスト・予算: 材料や仕様によって費用は大きく異なるため、予算内で最も効果的な屋根を選ぶことも大切です。
一般に、ポリカーボネート屋根は本体価格が手頃(サイズにもよりますが標準的なバルコニー用で数万円~十数万円程度)で、施工費を含めた総額も抑えられます。アルミ屋根のテラスSCは製品価格・工事費ともに高額になる傾向があります。また、後述するように2階バルコニーへの設置は足場代が加算されるなど追加コストも考慮しましょう。
複数の製品や工法で見積もりを取り、費用対効果を比較することをおすすめします。安さだけで飛びつくのではなく、耐久性や機能とのバランスが取れた製品を選ぶと結果的に満足度が高くなります。
以上のようなポイントを踏まえて、ご自宅のバルコニーに最適な屋根を選んでみてください。次に、実際にバルコニー屋根を設置するとどんなメリットがあるのか、そして気になる費用相場について解説します。
バルコニーの屋根のメリットと費用相場
バルコニーに屋根を設置するメリット

バルコニーに屋根を取り付けることで、生活の質が向上するさまざまなメリットが得られます。主なメリットを見ていきましょう。
- 雨天時でも洗濯物が干せる: 一番の利点は急な雨でも安心なことです。屋根があれば多少の雨なら洗濯物が濡れません。留守中に突然雨が降ってきても、洗濯物を慌てて取り込む必要がなくなります。天気を気にせずバルコニーを物干しスペースとして有効活用できるのは大きなメリットです。
- 日差しを和らげ室内温度を快適に: 夏場の直射日光を屋根が遮ってくれることで、室内への熱侵入が軽減されます。特に西日が強いバルコニーでは屋根があるとないとで室温の上昇が大きく違います。
遮熱効果によりエアコン効率もアップし、電気代節約につながる可能性があります。また、UVカット機能のある屋根材を使えば、日焼けによる床材や家具の劣化防止にもなります。 - バルコニー空間の快適性向上: 屋根のおかげで夏の強い日差しや雨を気にせず、バルコニーで過ごせる時間が増えます。例えば、椅子やテーブルを置いてちょっとしたアウトドアリビング的に使ったり、子どものプール遊びをする際にも直射日光を和らげて安全に楽しめます。観葉植物を置いている場合も、直射日光や雨から植物を守りつつ適度な光を確保できます。
- プライバシーの確保: アーチ型屋根など一部形状によっては、周囲からの視線を遮る効果も期待できます。隣家の2階窓や道路からの目線が気になる場合、屋根が視界を遮る役割を果たし、バルコニーでのんびり過ごす際のプライバシー向上につながります。ただし完全な目隠しにはならないので、必要に応じて側面にパネルやシェードを設置することも検討しましょう。
- バルコニーの保護と資産価値向上: 屋根で雨風を防ぐことで、バルコニー床面や手すりなどの劣化を遅らせることができます。防水層への直接の雨晒しが減るため、将来的なメンテナンス頻度も下がるでしょう。さらに、屋根付きのバルコニーは住宅の付加価値としてアピールできるため、資産価値向上や売却時の魅力アップにも一役買います。日常生活の快適さに直結する設備なので、リフォームとして満足度が高い点も見逃せません。
以上のように、バルコニーの屋根は日々の暮らしに嬉しい効果をもたらします。天候を気にせず洗濯物を干せる安心感や、夏を快適に過ごせる工夫として、設置を検討する価値は十分にあるでしょう。
バルコニーの屋根の費用相場
次に、気になる費用相場について解説します。バルコニー屋根の設置費用は、屋根のサイズ・材質・仕様や工事条件によって幅がありますが、一般的な相場は総額でおよそ10万~20万円前後です(材料費+施工費込み)。
内訳としては、屋根本体の価格が数万円~十数万円程度、そして取り付け工事費用が数万円~十万円程度かかるケースが多いです。
例えば、標準的なポリカーボネート屋根を後付けする場合、本体価格が約7~10万円、工事費用が5~10万円ほどで、合計15万円前後になることがよくあります。
2階バルコニーへ設置する場合は、安全のための足場設置費用(数万円)も追加される場合があります。逆に、1階のテラス屋根であれば足場が不要な分、施工費を抑えられることがあります。
使用する素材やグレードによっても価格は変動します。強度を高めた耐雪仕様やデザイン性の高い製品は本体価格が20万円以上するものもあり、大型サイズや連結施工を行うと30~40万円に達するケースもあります。
また、オーニング(日よけシェード)を取り付ける場合は、手動式か電動式かで価格が異なり、本体と工事費で数万円~十数万円程度が目安です。
費用を抑えたい場合、複数業者から見積もりを取って比較することが重要です。リフォーム会社やエクステリア専門業者によって提案される製品や工事費が異なるため、相見積もりで納得のいくプランを検討しましょう。
また、安価な簡易キットを購入してDIYする方法もありますが、防水処理や強度確保の点でリスクがあります。専門業者に依頼すれば保証も付きますので、安心料も含めプロに任せることをおすすめします。最終的には、ご自身の予算と必要な機能のバランスを見て最適な屋根プランを選ぶと良いでしょう。
LIXILのバルコニー屋根商品紹介
最後に、信頼できるメーカーであるLIXILのバルコニー屋根から、おすすめの商品をいくつかご紹介します。LIXILは住宅設備・エクステリアの大手で、バルコニー屋根(テラス屋根)のラインナップも豊富です。それぞれ特徴がありますので、ご自宅のニーズに合った商品選びの参考にしてください。
スピーネ(Spene)

標準的で万能なテラス屋根シリーズ。 シンプルなアルミ製テラス屋根で、住宅の1階から2階・3階まで設置可能な安心設計が特徴です。
屋根形状はフラットな「F型」とアーチ状の「R型」から選べ、建物のデザインに調和させやすいです。屋根材にはポリカーボネートを使用し、熱線カット仕様のパネルも選択できます。
狭小スペースにも対応するサイズ展開があり、物干し用屋根として人気No.1とも言える定番商品です。耐風圧性能も高く、オプションで耐積雪仕様にも変更可能なので、幅広い地域で安心して利用できます。価格帯も比較的手頃で、初めてのバルコニー屋根導入におすすめです。
シュエット(Chouette)

木目調デザインがおしゃれな高機能テラス屋根。 アルミ材に特殊加工を施し、まるで天然木のような風合いを実現したシリーズです。
ナチュラルな木目カラーが外観に温かみを与え、ウッドデッキや木調のサッシと美しくコーディネートできます。屋根形状はフラットタイプでスッキリした印象です。
ポリカーボネート屋根材にも熱線吸収・遮断タイプが用意されており、見た目だけでなく機能性も優秀です。耐風・耐荷重もしっかり確保されており、2階バルコニーにも設置可能。
デザイン性と実用性を両立したい方にピッタリの商品です。標準的なテラス屋根よりやや高価ですが、その分満足度の高い仕上がりになるでしょう。
テラスSC

スタイリッシュなアルミ素材の次世代テラス屋根。 「テラスSC」は従来のポリカーボネート屋根とは一線を画し、屋根材自体もアルミ製のパネルでできています。
厚みのないフラットな屋根と柱だけのシンプル構成で、モダンな外観デザインの住宅に非常にマッチします。アルミ屋根は光を通さないため遮熱性が高く、夏場でも直射日光を完全にカット可能です。
一見すると屋根の上に雨樋(あまどい)が見えないスッキリ設計ですが、しっかり内部に排水機能が組み込まれており機能性も万全です。また、1階用のみですが、壁付けだけでなく独立式(自立式)タイプもあり、外壁に穴を開けずに後付けできるプランも選べます。
デザイン重視・高機能志向の方向けのハイエンドモデルと言えるでしょう。価格は他シリーズに比べ高めですが、洗練された美しさと耐久性を求める方には魅力的な選択肢です。
このほかにも、LIXILにはフーゴ F/R(住宅形態に合わせバリエーション豊富なテラス屋根シリーズ)や、シンプルでコストパフォーマンスに優れたテラスVS・VBシリーズなど、多彩な商品ラインナップがあります。
いずれも信頼の国内メーカー製で、品質・アフターサービスの面でも安心です。製品によって対応できる幅やオプションが異なりますので、カタログやウェブサイトで詳細をチェックし、プロと相談しながらベストな一台を選んでください。
バルコニーの屋根は種類ごとの特徴を踏まえて選ぶことで、快適性と利便性を大きく向上させてくれる設備です。
戸建て住宅のバルコニーで天候を気にせず洗濯物を干したり、夏の日差しを遮って心地よく過ごしたりするために、屋根の後付けリフォームは有力な選択肢となります。
費用相場を把握しつつ、LIXILのような実績あるメーカーの製品も参考にしながら、ぜひご自宅にピッタリの「バルコニーの屋根」を検討してみてください。快適で使い勝手の良いバルコニー空間づくりのヒントになれば幸いです。
総括:バルコニーの屋根
この記事のまとめです。
- バルコニーの屋根は後付け可能な小型のテラス屋根やひさしのこと
- 雨や直射日光を防ぎ、洗濯物や室内環境を守る役割を持つ
- バルコニーの屋根材にはポリカーボネート、アルミ、オーニングの3種類がある
- ポリカーボネート屋根は軽量で採光性が高く、紫外線カット機能も備える
- アルミ屋根は遮熱性と耐久性に優れ、モダンなデザインが特徴
- オーニングは可動式で開閉できるが、防水性は固定式屋根に劣る
- バルコニー屋根の形状にはフラット型(F型)とアーチ型(R型)がある
- 屋根選びのポイントは耐久性、採光性、遮熱性、デザイン、費用のバランス
- 夏場の遮熱効果があり、エアコンの効率向上や電気代節約につながる
- バルコニー空間を快適にし、プライバシーの確保にも役立つ
- 屋根があることでバルコニーの防水層や手すりの劣化を防ぐ
- バルコニーの屋根設置費用は総額10万~20万円が相場
- 2階以上の設置には足場代がかかるため、費用が追加される場合がある
- LIXILの「スピーネ」はシンプルで万能なポリカーボネート屋根
- LIXILの「テラスSC」はアルミ屋根を採用し、耐久性とデザイン性を両立